溜めないように・・・
「半年も溜めちゃいけない」という結論になったはずなのに、本当にすぐ溜まる。
- 「聖女の救済」東野圭吾
昨年担任していた、本が大好きな女の子から借りた。いつもながら見事に一気に湯川ワールドにはまりこみ、読み切った。真実は切なく悲しかった。トリックがわかり、話の全貌が見えてくるとタイトルがしっかり作品世界全体を言い表していることに気づく。満足。
- 「卒業」重松清
少し長めの短編集。重松さんの作品は家族間(たとえば、父と子)や中学生同士の言葉のやり取りが妙に妙にリアリティがある。特に男子中学生。日々、接しているので「そうそう、こんなふうに言ったり、言えなかったり、おバカやったりしてるよ」と思ってしまう。ラストは絶望的じゃなくて、ちょっとだけなんだけど必ず希望が見えるふうに終わる。だから、少し救われる。
- 「ナイフ」重松清
これまた短編集。「いじめ」の話はたびたび重松作品に登場する。きっとこれからも何度も。この仕事をしていると必ずつきまとってくる「いじめ」。前ならもっとさらっと読めてたと思うけれど、今は一つ一つがとても苦しい。
横流し品。お財布が語るという変わった趣向で、楽しめる。どんどん被害者が出る割にはトリックというか、背景がちょっとあっさりしている気がした。
- 「スナーク狩り」宮部みゆき
またしても横流し品。ファンタジー系の部類に入ると思う。私はあんまり好みではなかった。
- 「そういうふうにできている」さくらももこ
前に書き忘れてしまった。おもしろエッセイ。妊娠から出産までがユーモアたっぷりに語られる。こういう人生の大転機を言葉でつづって残しておける職業ってすばらしいなと思う。よしもとばななさん然り。
大した感想でなくてちょっと情けないが・・・記録を残すのはよいこと(のはず)だ。